ウィークリー・メッセージ 20171

 

新年 神の母 マリア


高松教区司教  諏訪 榮治郎 

 

 年あけましておめでとうございます。

 年のはじめ、私たちはローマ教会の伝統に立ち返り、1月1日を「神の母聖マリア」の名のもとに主の降誕の8日目としても記念します。

それは、救い主イエスの誕生においてマリアさまが果たした役割を思いおこすのです。

またこの日を「世界平和の日」とし、世界の平和のために祈る日としています。

1968年1月1日、教皇パウロ六世はベトナム戦争が激化するなか、平和のために特別な祈りをささげるよう呼びかけました。それ以来、全世界のカトリック教会は毎年1月1日を『世界平和の日』とし、戦争や分裂、憎しみや飢餓などのない平和な世界が来るよう祈っています。世界人口72億人のうち12億人のカトリック教徒が教皇様の呼びかけに答え「神の慈しみ」において、世界の平和を祈り願うのです。

これは政治家の問題のみならず、神の慈しみを生きる信仰者の課題なのです。神様の創造された一人ひとりの人間家族と大地を大切にする使命があるからです。私たちキリスト者は「平和」が人間の力(権力)で実現することの難しさに気づいています。また人類の歴史の中で平和が実現したことは一度もなかったことを知っています。


 平和が力関係からは生まれてこないことを歴史の体験から知っています。自分や自国の利益を超えて他者を思いやる「共通善」を探し求めます。多数決や力の論理を超えた「神の国」を築くことを願って祈ります。人間の知恵と力を超えた「神の知恵、神の慈しみ」から与えられる「知恵」なのです。

「わたしは主のはしためです。おことばどおり、この身になりますように」。それは聖母マリアにならった祈り、生き方から与えられるのです。

聖霊に導かれた平和を祈り、この一年を大切に歩んでまいりましょう。皆さまの上に主の豊かな祝福をお祈り申し上げます。

 

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