ペトロ岐部と187殉教者列福式−主催者の謝辞
2008年11月24日
於:長崎県営野球場
尊敬するジョゼ・サライバ・マルティンス枢機卿様
この度、教皇様の特別な計らいにより、日本188殉教者の列福式がこのように荘厳に執り行われたことを心から感謝申し上げます。今日は日本教会にとって最高の喜びの日であり、感謝の日でもあります。日本教会の土台を築いて下さった信仰の先達への感謝でもあり、普遍教会とつながれてお祝いすることができたことに対しての感謝でもあります。枢機卿様がローマにお帰りになられる時、是非この私たちの感謝、そして日本教会が今決意している熱い想いを伝えて下されば幸いです。
1981年より始まってこの列福運動は27年の歳月を経ました。長いと言えば長い、短いと言えば短い歳月でした。この間ローマ列福聖省は、戸惑うばかりの私たち準備委員を常に励まし、目に見える形で援助して下さいました。振り返ってみますと、私は枢機卿様とは計8回この件に関してお会いしていることになります。今日で9回目です。その間国務長官とは2回、二人の教皇様、ヨハネ・パウロ2世とベネディクト16世とはそれぞれ1回ずつ会っています。恥ずかしいほど無知であった私たちを初歩の段階から、どのようなプロセスを通してことの実現に向けるかを懇切丁寧に教えて下さいました。実現するように励まして下さったことが、何よりも大きな励みでした。この間実感したことは、日本教会は世界教会とつながってあるということでした。
この27年の歩みの中でこの場をお借りして感謝申し上げたい方々がいます。最初にこれを発案なさった司教様方、その多くは現役を引いていますし、この世を去っています。特に最初から御尽力下さった白柳枢機卿様、平山司教様には、この場をお借りして感謝申し上げます。きっと感無量のこととお察し申しあげます。歴史調査委員で史料の大半を提示し、提出する文書の大半を書いた故チースリク神父、そして老いて尚列福への情熱を失わずに働き続けた日本26聖人記念館前館長結城神父に格別のお礼を申し上げます。どんな賛辞を述べても足りない働きをして下さいました。このお二人なしには列福は実現しませんでした。
今回の列福運動は、日本教会の刷新と活性化を求めたところに特徴があります。400年を経て「共通の想い出」を私たち信仰者は有しています。時代が変わっても、その時代を生き抜く力と勇気を、今を生きる私たちは先達から頂いています。その時代を生き抜いた昔の信仰者は、現代を生きる私たちにメッセージを投げかけています。真摯にそれを受け止め、毎日の生活において実践していくことを誓って私のお礼の言葉に代えさせて頂きます。
列福列聖特別司教委員会 委員長 溝部 脩