年間第32主日 桜町教会国際交流ミサ説教

2006年11月12日
  於:桜町教会 

 8月下旬,高松サンポート会館において,宗教者会議が開かれました。約300名の宗教者が集まり,宗教者として平和について考え,話し合いました。カトリック教会からも多く参加し,私が主催者として委員長の役割を果たしました。そのとき3人のシンポジストが皆の前で平和についての対談を行いました。
 まず善通寺のお坊さんが「仏教は排他的ではなく,すべてを受け入れる寛容さを大事にしている」と述べました。「どんな宗教も受け入れていて,どの宗派のお遍路さんでも,どこに行っても受け入れてもらえる」とのことでした。
 私はそれを聞きながら,キリスト教はどうなのだろうと考えました。また四国のような仏教が強い地方では,仏教を信じている人々とどのように関わっていけばよいのかということも考えていました。キリスト教は一神教を強く意識していて,他の神々を拝んではならないという第一の掟があります。そのためでしょうか。他の宗教を軽蔑したり非難したりする傾向があります。他宗教との対話において,私は次のことを考えます。

1 まず,他の宗教,またそれを信じている人たちを悪く言わない。尊敬すること。
2 自分の宗教に無理して引き込むために,洗脳的な方法を採らないこと。
3 協力して社会の中で一緒に働くこと
4 相手の宗教が教えていることを知るように努めること

 これらを前提としまして,私たちはキリスト教が教えている要点をしっかりとつかむことが大切となってきます。他の宗教を知れば知るほど,自分たちの宗教が何を教えているかを理解することになります。2つ目です。キリスト教の教えの中で譲ってはいけないものをはっきりとわかることも大切です。しかし,そのことのために人を責めたり,攻撃的になったりしてはいけません。3つ目です。他の宗教との交わりができるためには教会の中での交わりができるということが最大の条件です。
 今日は国際ミサが行われています。人種国籍を越えて私たちが一つになっていくために,このミサを行っています。教会の中でこれが実現するとき,初めて他宗教との対話も可能になるのです。教会の中がバラバラであったり,不一致があったりするときに,他宗教との対話は可能ではありません。今日は種々の人が参加して作り上げていく教会とは何かを考える良い日にいたしましょう。

 (この後,英語,タガログ語,スペイン語で同様に説教されました。)

    ※司教様チェック済み