ウィークリー・メッセージ 201552

 

聖家族の祝日」

 

 高松教区司祭 宋 亨根        

 年か前に、テレビでみたコマーシャルで正確に覚えていないですが、深く共感したものがありました。

その内容は職場では親切なお父さんが、商店でお客さんたちを親切に接待するお母さんが家に帰ると口数が少なくなる。また、お子さんたちは外では友達とよく遊んたり話したりするが家に帰って来ると姿が急に変わって無表情で、自分の部屋に引き籠って、声をかけると怒って対話を拒否するようになるという内容でした。現実の生活の中でもよくある話でしょう。


 すべての人は和睦で幸せな家庭を夢見るが、事情を聞いてみると、評判が良い家庭でも大きな悩みの種を一つずつは持って生きていきます。さらに、この頃は経済を含めてさまざまな理由で家庭を築くこと自体があまりにも大変で負担になったのも事実ですが、現実がとても深刻で、懸念せざるを得ません。


 キリスト教の信仰は一人で告白しながら生きていくことではないことを、皆さんもよくご存知だと思います。口で何回も信仰告白をするより、他の人と一緒に暮らしている中、その信仰を生活場で表現することが重要です。よく夫婦がいずれも信者の時「聖家族を築く」と表現するが、実際に聖家族を築くには、それで十分ではありません。
今日の第2朗読の1ヨハネの手紙は、「神に願うことは何でもかなえられます。わたしたちが神の掟を守り、御心に適うことを行っているからです。その掟とは、神の子イエス・キリストの名を信じ、この方がわたしたちに命じられたように、互いに愛し合うことです。」と教えています。 困難の中でもこの愛の掟を具体的に実践する第一の場所がまさに私たち家庭です。家庭でこの愛を実践できるとき、はじめて私たちの家族はナザレの聖家族を模範とする美しい「聖家族」になります。
 一番愛し合いながら一番表現するには難しい関係である家族、聖家族の祭日を祝う今日家族の中でお互いに愛の表現をする祝日となりますように祈ります。  

アーメン

    

           

<岩ア神父の記事「「布にくるまっている乳飲み子に思う事」に行く 諏訪司教の記事「神の母聖マリア」に行く>

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