ウィークリー・メッセージ 20154

年間第2主日

  江ノ口、赤岡教会担当司祭 クリスティン・パーキアナータン

 が学生時代に学んだ事の一つに アルキメデスの原理があります。

 ある日アルキメデスは湯船に入った時、溢れ出たお湯を見て、「ユーリカ」という言葉を叫びながら 裸で飛び出して走り回りました。ユーリカという言葉はギリシア語で「私は見つけた」「分かった」という意味です。この時にアルキメデスはアルキメデスの原理に気づいたのです。新しい原理を発見したアルキメデスが ユーリカという言葉を使って原理を見つけた事と自分の気持ちを仲間に伝えたように、福音の中でも、イエス様と出会ったアンデレは イエス様がメシアであるという事が分かり、その分かった事と、喜びの気持ちを自分の兄弟であるシモン・ペトロと分かち合いました。神様に出会った人は 必ずその経験を他の人に伝えたいという気持ちになるのです。

 第一朗読の中でも、同じ事が述べられています。というのは神様の事を 自分で経験したエリは 少年であったサムエルに お呼びになっているのは神様であるという事を自分の経験から伝えています。
 司祭になる前に私達は 神学校に行き、そこでの生活を体験してみます。このプログラムを「来て見なさい」と言われて2、3日だけ神学校に泊まり、実際に司祭の生活を見てみます。そこでの生活が自分に合えば司祭になる事を決断して続けます。福音の中でも イエス様の弟子になろうとしてついて来た2人、つまりアンデレとヨハネに「来なさい。そうすれば分かる」とイエス様が実際に自分で経験するようにと呼びかけておられます。

 5年前に私が日本に来た時、どこかに行こうと思い、誰かに道を尋ねたら、ただ教えるだけでなく実際にその場所まで案内してくださった事が何度もありました。皆さんも、人生の中でいろいろな方に出会い、進むべき道を教えてもらった事があるのではないのでしょうか。その方達は私達にとって人生のターニングポイントとなり、人生を大きく変えるきっかけとなったのではないでしょうか。

 み言葉の中でエリと洗礼者ヨハネ、アンデレはいろいろな方の人生を変えるターニングポイントとなりました。エリはお呼びになっているのが神様であるとわからなかったサムエルに神様であると紹介し、洗礼者ヨハネは自分の弟子達にメシアを紹介しています。アンデレは自分の兄弟シモンにイエス様を紹介しています。同じく私達も、両親や友人、あるいは兄弟から神様を紹介され、神様の弟子となるように招かれたのではないでしょうか。
 人生で探し求める気持ちがある限り、人生がより楽しく変化に富んだものになるのでないでしょうか。例えば科学者が探し求めようとしてさまざまな新しい物を発明したり、研究者が探し求めて新しい物を開発したり、自分について探し求めている人が心理学者になったり、神様を探し求める人は悟りを開いたり、真理を見つけるようになります。

 福音の中で洗礼者ヨハネからイエス様を紹介された弟子達は「何を求めているのか」と聞かれてイエス様に好奇心を抱き、探し求める気持ちになったのです。その気持ちを言葉にして表し、「ラビどこに泊まっておられるのですか。」と聞き、イエス様について行き、いっしょに泊まり、イエス様がなさる事を自分の目で体験し、イエス様の弟子となったのです。洗礼を通して弟子となっている私達も弟子達が呼ばれたようにいろいろな使命を神様が与えてその役割を果たすように呼びかけておられます。

呼ばれた弟子達がいつも神様と結ばれていたように私達もいつも神様と繋がって、豊かな実を結びましょう。なぜなら、私を離れてはあなた達は何も出来ないとイエス様がおっしゃっているからです。

 

川上司祭の記事エキュメニズムに行く 硫黄司祭の記事「年間第3主日」に行く>

ウィークリー・メッセージ目次に戻る

トップページに戻る